【概要及び原理】
 光電子蒸着装置の概略図を示します。本システムの光電子蒸着法は、蒸発熱源により蒸発粒子を作成させた蒸着粒子群に紫外線を照射、光電効果により光電子が発生します。この光電子を光電子ゲッター電極(プラス電位)により陽極帯電化した蒸着粒子が陰極基板ホルダに導かれながら加速して堆積されます。
 堆積された荷電粒子(帯電化した蒸着粒子)は基板に対する吸着力が強く、そのため静電反発により荷電粒子の凝集を防ぐことができると考えられます。光電効果によりイオン化された蒸発材料が蒸発され陽極化した帯電粒子は陽極ゲッター電極と静電反発しながら陰極基板ホルダの設定電位で加速されて堆積されます。
 通常、ナノメートルオーダーの微粒子は微粒子間に働くファンデルワールス力(*1)等による凝集力で独立して存在することが困難とされます。光電子蒸着法で堆積された微粒子は、微粒子同士が同じ極性に帯電化されている為、SEM等の観察においては、基板上の非連続膜がトンネル効果により電気的に接続されているためチャージアップすることなく観察可能となります。
※1)ファンデルワールス力:電荷を持たない中性の原子・分子間などで主となって働く凝集力

【特長】
・成膜温度 室温※熱ダメージ小
・成膜可能材料 金属材料※抵抗加熱方式で蒸着可能な材料
・基板材料 各種金属・ガラス・セラミックス・プラスチック
・成膜状態 紫外線照射光源の輝度もしくは光電子ゲッター電極の電位を制御することで成膜密度の制御ができる。
【適用分野】
・半導体関連分野 透明電極(グラフェン)
・電池関連分野 正極・負極材料開発 / セパレータ
・触媒関連分野 触媒粒子

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